高齢者のテレビ設定代行が年収1000万円:99%が見逃す穴場ビジネス

高齢者のテレビ設定代行が年収1000万円:99%が見逃す穴場ビジネス
Richardson2000万人の高齢者がテレビ操作に困っている。そこに金が落ちている
総務省の統計を見れば一目瞭然。65歳以上の人口は3625万人、総人口の29.3%。さらに内閣府の調査では、高齢者の約6割が「スマートテレビやリモコンの多機能化についていけない」と回答している。
テレビを一番見ている世代が、一番操作に困っている。
電源を入れたらホーム画面が英語表示。NetflixやAmazonプライムの広告バナーが画面の半分を占める。NHKを見たいだけなのに、リモコンの「dボタン」を押してしまい、データ放送から抜け出せない。挙句の果てに有料チャンネルの申し込み画面で固まる。
息子や娘は遠方に住んでいる。電話で説明しても「ホームボタンってどれ?」から進まない。結局テレビを諦めて、ラジオに戻る高齢者が増えている。
この「テレビ難民」状態の高齢者一人ひとりの背後に、お金を払ってでも解決したい家族がいる。
訪問設定代行の相場は1回8000〜15000円。家電量販店の出張サポートが1回5500円〜なのを考えれば強気の価格設定だが、それでも依頼は絶えない。なぜか。量販店のサポートは「初期設定」まで。ホーム画面の整理、不要アプリの削除、リモコンの簡略化、YouTubeの広告ブロック設定まではやってくれないからだ。
なぜこの商売に競合が少ないのか
若者は見向きもしない。「設定くらい自分で5分でできる」と思っている。その通りだ。でも、あなたが実家にいないとき、親にとっての5分は永遠に等しい。
家電量販店の出張サポートも当てにならない。基本料金5500円に加えて、作業内容ごとにオプション料金がかかる。しかも「有料チャンネルの解約方法」「広告を消す設定」「YouTubeをテレビで見る方法」といった、高齢者が本当に困っている項目は対応外。公式サポートが触れない領域こそ、最も需要が高い。
テレビメーカーも動かない。スマートテレビのUIは年々複雑になる一方で、高齢者向けの「かんたんモード」を搭載した機種はごく一部。パナソニックが「らくらくテレビ」を出しているが、販売台数は限定的で、大多数の高齢者は複雑なUIのテレビを使い続けている。
つまり、需要は膨らみ続けているのに、供給側は誰も本気で取り組んでいない。これが穴場でないわけがない。
1件8000円から1日30件へ:拡大のロードマップ
ある20代の起業家は、家電量販店の配送設置スタッフからスタートした。毎日のように高齢者宅にテレビを届ける中で、「設定も見てくれない?」と頼まれることが増えた。最初は無料でやっていたが、ある日「お礼に」と3000円渡された瞬間、これが商売になると確信したという。
彼のやり方はシンプルだ。
第一段階:種まき。 配送設置の仕事をしながら、希望者には無料でホーム画面の整理とリモコン簡略化を行う。その代わり、手書きの操作マニュアルを渡し、LINEを交換する。1ヶ月で50人ほどの高齢者リストができた。高齢者はインターネットでサービスを検索しない。だが、隣人には話す。ゲートボール仲間にも話す。口コミの連鎖が始まった。
第二段階:単発を継続に変える。 初回設定8000円はあくまで入口。本当に儲かるのはその後のリモートサポートと定期メンテナンスだ。テレビのアップデートで画面が変わればまた混乱する。孫が遊びに来て設定をいじれば元に戻る。月額3000円の「テレビなんでもサポート」に加入してもらえば、1人あたり年36000円のストック収入になる。100人契約すれば年360万円。リモートで対応できる内容が大半だから、コストはほぼゼロだ。
第三段階:地域の集客拠点を押さえる。 老人会、公民館、シルバー人材センター。ここに「無料スマホ・テレビ相談会」を売り込む。30分のミニ講座を開き、終了後に個別相談の予約を取る。講座は無料、個別訪問は有料。この流れで1回の相談会から10件以上の訪問依頼が入る。
第四段階:チーム化。 訪問対応は地域密着なので、1エリアに2〜3人配置。リモートサポートは中央で集中処理。LINEのビデオ通話で画面を見ながら指示すれば、1人で同時に3〜4件対応できる。年末年始とお盆は繁忙期。帰省した子供が「うちの親のテレビ、なんとかして」と一斉に依頼してくる。
収入の天井はサービス料だけじゃない:2本目の柱
前出の起業家は昨年、サービス収入だけで1400万円を売り上げたという。さらに動画配信サービスとのアフィリエイト契約で300万円。合計1700万円。この数字は本人の申告によるもので、独立した検証はされていない。ただ、アフィリエイトの仕組み自体は実在する。
AmazonプライムビデオやNetflix、U-NEXTといったサービスは、新規会員獲得に数千円の広告費をかけている。テレビ設定代行の訪問先で「これを使えば昔の映画が見られますよ」と紹介し、その場で登録まで手伝えば、1件あたり1000〜3000円の成果報酬が入る。高齢者は一度登録すると解約しない。LTV(顧客生涯価値)が高いから、プラットフォーム側も喜んで提携する。
さらに先の構想として、高齢者向けの「かんたんリモコン」や「ワンボタンTVボックス」の開発・販売がある。設定代行で蓄積した顧客リストに、自社製品を直接販売する。原価3000円のリモコンを9800円で売れば、粗利6800円。1000人に売れば680万円。ハードウェア開発というと難しく聞こえるが、既存の学習リモコンをカスタマイズするレベルなら、クラウドファンディングで資金を集めて少量生産から始められる。
今日から動ける3つの入り口
入り口1:ジモティーで訪問設定サービスを出品。 「高齢者向けテレビ設定代行・リモコン簡略化・広告非表示設定」というタイトルで出品する。料金は8000円〜。ジモティーは中高年ユーザーが多いので、ターゲットと直結している。最初の10件は相場より安い5000円で受けて、実績とレビューを貯める。レビューが5件貯まれば、以降は通常料金で依頼が入るようになる。
入り口2:YouTubeで「離れて暮らす親のテレビ設定」動画を投稿。 「【保存版】実家のテレビをリモートで設定する方法」「親のテレビから広告を消す3ステップ」といった動画を週2本上げる。ターゲットは高齢者本人ではなく、遠方に住む40〜50代の子供世代。動画の説明欄に「自分でやる時間がない方は代行します」と書いておけば、リモートサポートの依頼が入る。リモート1件5000円、訪問1件12000円。地域を問わず全国から依頼が来るのが強みだ。
入り口3:地域の包括支援センターと連携。 各市区町村にある地域包括支援センターは、高齢者の生活支援に課題を抱えている。ここに「デジタル機器の訪問サポート事業者」として登録する。公的機関経由の紹介は信頼度が段違いで、料金も通常より高く設定できる。さらに自治体によっては「高齢者デジタル支援事業」の委託費が出るケースもある。
副業から始めるなら、土日だけで十分だ。土曜にジモティー経由の訪問を2件、日曜にYouTube動画を1本撮影してリモートサポートを1件。これで月8万円前後にはなる。本業に支障が出ない範囲で需要を確かめ、リモートサポートの契約が月20件を超えたら独立を検討する。開業資金は交通費と工具代だけ。リスクはほぼゼロだ。
この商売の参入障壁:技術より信頼
テレビの設定なんて、技術的には誰でもできる。でも高齢者は「設定ができる人」にお金を払っているのではない。「親身になって話を聞いてくれる人」「何度でも同じことを丁寧に教えてくれる人」に払っている。
ある70代の女性は、設定代行の帰り際に「これ、お茶代に」と5000円を追加で渡してきた。作業は30分で終わった。彼女が払ったのは技術料ではなく、「また何かあったら来てくれる」という安心料だ。
この商売を「ダサい」と笑う人は多い。でも、ダサいの裏返しは、競合が少ない・集客コストが低い・解約率が低い、の三拍子だ。一人の高齢者に信頼されれば、その家のデジタル問題はすべてあなたに回ってくる。スマホの操作、Wi-Fiの接続、防犯カメラの設定、プリンターのトラブル。テレビ設定は入口に過ぎない。
定年退職した元電気工事士をパートナーにする手もある。彼らは基礎的な配線知識があり、同世代の顧客と話が合い、時間もある。研修して標準化されたサービスを提供してもらえば、あなたは集客と品質管理に集中できる。1件あたり2000〜3000円のマージンを取るモデルだ。
市場は十分に大きい。65歳以上の高齢者は3625万人。そのうちスマートテレビに困っている層が仮に2割だとしても725万人。このうちの0.1%を獲得できれば7250人の顧客だ。1人あたり年間2万円の売上なら1億4500万円。これは夢物語ではなく、単純な掛け算の結果だ。
今日、ジモティーを開いて最初の出品を作る。タイトルは「高齢者向けテレビ設定代行・リモコン簡略化します」。料金は8000円。最初の1件が入るまでに、そう時間はかからないはずだ。








